全く新しい葬送の形「0葬」とは
0葬と聞いてどんな想像されましたか?
宗教学者島田裕巳先生の提唱するお骨を火葬場から持ち帰らない。
この新しい葬送のかたちを葬儀24ドットコムでは、施行・実地致します。
ヨーロッパでは、火葬場に遺体を搬入したところで遺族が帰ってしまうところもあります。遺骨をまったく引き取らないわけです。 あるいは、火葬場が火葬した遺骨を預かっていて、三ヶ月過ぎても引き取りにこなかったら、それを処分するような国もあります。 日本でも、火葬場によっては、遺族からの申し出に応じてくれ、遺骨を引き取らないでもかまわないところがあります。 私は、こうした遺骨を引き取らないやり方を「0葬」と呼んでいます。
0葬のことを聞いて、それでは故人がかわいそうだとか、人の葬り方としていかがなものかと感じる方もいるでしょう。 しかし、少し前まで日本でも広く行われていた土葬のことを考えてみてはどうでしょうか。 土葬の場合、遺体を棺桶ごと土の中に埋めてしまうわけで、そこには墓石は建てません。 それは「埋め墓」と呼ばれ、墓参りをするための「詣り墓」とは区別されます。 重要なことは、詣り墓の下には遺骨が埋まっていないことです。
土葬時代の私たちは、遺骨を供養の対象にはしていませんし、それに関心をもっていませんでした。 今の火葬の方法が広まり、遺骨が残ってしまうために、それを埋葬する墓を誰もが必要とするようになったのです。 さらに言えば、東日本では焼いた骨をすべて引き取る「全骨収(拾)骨」ですが、西日本では全体の三分の一、 あるいは四分の一しか引き取らない「部分収骨」になっています。残骨は、火葬場の方で処理されます。 三分の一しか引き取らないのならば、全部引き取らないのとさほど変わりません。 遺骨を引き取らなければ、そもそも墓のことを考える必要がありません。 遺族が墓をどうするかで悩む必要もありませんし、その管理に苦労することもなくなります。
日本人は骨に対する執着があると言われますが、自然葬はその終着から解き放たれるための方法です。 0葬もまた、0の状態で生まれた人間が、ふたたび0の状態に戻るという意味で、自然に還る自然葬と言えるのではないでしょうか。
【0葬ーあっさり死ぬ】より引用